2018.1.13 「勝手にふるえてろ」

 この映画を初めて知ったのが、授業で10〜11月の東京国際映画祭のプロデューサーさんが来た時。立場的に一部の作品をプッシュするのが難しい中で、オススメしていただいて、映画祭で観ようと思ったけどスケジュール的に観れなかった作品。

 映画祭では、日本映画では3年ぶりになる観客賞を受賞したという触れ込みで、昨年末から上映が始まってました。だから正確には去年の作品。でも今年の個人的ベスト5にはもうこの時点で入ると思うぐらい面白くて、素晴らしい作品でした。松岡茉優初主演作にして、代表作の一つになってもおかしくないと思います。もちろんこれで終わるというわけじゃなく、これからもたくさん活躍するのは大前提で。ネタバレしないように書きました。

 

furuetero-movie.com

 

 暴走ラブコメディという名目で売り出してて、個人的にはラブとコメディって均衡点がそう見つけられるものだとは思わないんですよ。コメディからラブに移った瞬間に冷めちゃうというか、ラブの方向に持っていこうとしてる!!っていうのが如実に感じられちゃうのが嫌いというか。

 一方で、ラブがすごくいい流れでいいフィニッシュに向かってるときに、急にコメディ要素が入ってくるともう感情が何処と無く宇宙をさまよい始めてしまう…。どっちつかずの中途半端な感情で終わっちゃう。ラブの方向性には一定の終わりがあるから、基本的にはコメディ要素が邪魔に思えることが多いと思う。

 そんなこんなであんまりラブコメディ(コメディでやるならちゃんとコメディやって欲しいしー)に肯定的に印象を持っていなかったんですけど、この作品は素晴らしかったです。かなり身勝手な感想だけど、ラブコメディも捨てたもんじゃない!と。

 

 とにかく観て欲しいので内容にはあまり触れないようにしますけど、とにかく松岡茉優のコメディエンヌっぷりというかヒロインがはまり役すぎて、それだけで楽しくて面白くて心動かされました。

 この映画観ながら自分の中の好きな三大女優が、松岡茉優高畑充希伊藤沙莉だったこと急に思い出して、そういえばそのうち二人出てた、木曜10時の『問題の多いレストラン』めちゃめちゃ面白かったなーって思い出して、それそういえば坂元裕二作品じゃんなんてのも思い出して。伊藤沙莉も最近の露出量の多さ嬉しいしなんて思ったりして。考え事できる余白があるというか、いろんなことに思いを馳せることができる作品って尊いよね。

 逸れちゃったけど、とにかく松岡さんの「江藤良香」っぷりが生々しくて松岡茉優じゃないとできない、全部伝えられないように思えるほど。

 帰り際に女子学生が「あんな人(江藤)いるんだねー…」って言ってたのがとても印象的でした。いやこれ映画だよ。

 

 それともう一つ特筆すべきなのは、松岡さんの画力。松岡さんが一人で歌いながら歩き続けるシーンがあるんですけど、そこの画力は最近観た映画の中でもトップの衝撃。うわ、すごい。って声に出そうなくらい圧倒的に存在していて、そこだけでも観る価値がかなりある。松岡さん自体の暗さも兼ね備えてる感じ、ただ世の中に明るさを提供するだけでは止まらない、裏を意識させた上での表っていう普段の番組でも感じる印象がひしひしとこういう役ではハマって感じてきました。

 

 あとはこれ別に関係ないんだけど、北村匠海くんが松岡さんのことを「キミ」って呼んでて、その理由を松岡さんが問いただしたら特に意味はなかったシーン(ネタバレしないように…!)があって、「あ!キミスイで浜辺美波に『キミ』って呼ばれてた人が今度は『キミ』って呼ぶ側になってる!キミスイの時は絶妙の距離感で『キミ』って呼ばれてたのに、今回は…笑」って思っちゃった。

 キミってとても奥ゆかしい呼び方。普通、名前を呼ぶ関係にもなってない時は、何にも言わずにあなたとかお前とか使わずに会話するところをキミっていう。すごい優しい空気が流れてる感じがして素敵な言葉だと思います。

 

 他にも、2人が歩道で向かい合って何か起こるのかと思ったらただ自動車が通り過ぎるだけってシーンがあってそこがコメディ要素だったらかなり好きなところかもしれないー!

 

 

 もうとにかく素晴らしい映画だからとにかく観て欲しいなってところで締めます。本当はもっと長かったんだけど、あまりにまとまりが無くなったので。これでもまだギリギリまとまりがある方…。殴り書きになったので適当だけどとにかく観てください。後悔なんかせずに大満足でしょう。